「空気のようにあってあたり前、ないとたちまち困るものは何?」土木とはそんな存在です。たとえば、朝起きてから寝るまで1日間、私たちの暮らしを支えている土木のことを想像してみましょう。顔を洗う水道、電気やガス、学校へ通う道や橋、トンネルや地下鉄、まちの公園や施設、堤防や防波堤・・などなど、土木とは、私たちの生活を守り、整え、豊かにしている大切な基本です。この土台がしっかりしていないと、私たちの命や財産だけでなく、文化や経済まで揺らいでしまいます。中国の昔の本に、「築土構木(ちくどこうぼく)」という言葉が出てきます。昔、聖人が出て、民のために土を盛り木を組んで住まいを整え、雨風をしのぎ、寒暑を避け、人びととは安心して暮らせるようになったといいます。
これが、土木という言葉のゆらいです。