事例でAIのできることを知ろう
その1 画像物体検知とアノテーション(阿部雅人,杉崎光一)
〇物体検出とアノテーション
画像データを利用したAIのキラーコンテンツと言えば自動運転かと思います.自動運転で利用されるAI画像タスクとして物体検出があり,YoloやSSD(Single Shot Multibox Detection)などの技術があり研究も盛んです.
橋梁を撮影した画像データにも,橋以外が写り込んでいる場合や,橋が複数写り込んでいるものなどがあるかと思います.これらの画像では,画像の中のどこに橋があるのかを検知する物体検出手法を適用することが有効でしょう.橋がどこにあるかを検出することは,例えば災害時に落橋が起きていないか,桁の移動はどの程度か,といった画像監視を利用した異常検知手法のためのファーストステップともなりますし,また,点検支援などにおいて,支承部など特定の部材を認識して評価したい場合などでも,まずは点検画像のどこに橋があるかを検出することが重要と思われます.
〇橋梁の検出実装
SSDを利用した橋の検出を実装してみましょう.物体検出では,バウンディングボックスを利用することで,画像に対して,位置や大きさを含めて物体を認識して検出することができます.ここでもVGG16で学習したモデルを,物体認識で利用した橋の画像に対し,桁橋と桁橋以外に分けたバウンディングボックスを利用してアノテーションした画像で転移学習を行いました.物体検出した結果を以下に示しました.
このような物体検知手法などは,API的に利用するためのライブラリが整理されており,実装が容易となっていますので試してみることができますが,実際の問題に適用するためには,アノテーションツールを利用して教師データを作成するなどの作業が必要となります.
添付 | サイズ |
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車載カメラ.png | 229.71 KB |
物体検出結果.png | 160.2 KB |