鋼橋をはじめとする鋼構造物において、製造時の品質管理、既存施設の点検・調査など様々な場面で主に超音波等を活用した非破壊検査技術やその評価技術が活用されております。近年では、レーザーを用いた非接触超音波、空気超音波、非線形超音波など新しい技術が発展してきております。フェーズドアレイ超音波探傷も適用の機会が増えつつあります。また、機械学習、Deep Learningとの組み合わせでの検討も進められております。さらに、赤外線などの熱を利用した非破壊検査技術、渦電流を用いたものなど、非破壊的に構造物の検査をする技術は著しい進化を見せております。これらの中でも赤外線、放射線透過試験は画像を利用するので、畳み込みニューラルネットワークなどの機械学習との親和性が高いです。渦流探傷やAEも波形解析において機械学習が取り入れられつつあります。
このような状況の中で、鋼構造物における近年の非破壊検査やその評価技術に関する情報を整理し、従来手法や他の方法との利点、欠点などの比較を通して鋼構造物への適用条件を提示することが必要と考えております。