■委員会の目的
我が国の橋梁は、50 年という節目を迎える時代となっています。5 年に1 回の点検が実施され、損傷データが増加に一途を辿っています。しかし、その点検後の適切な措置に課題があります。重要なこととして「措置には診断後に次回点検までそのまま」も含まれますが、その判断指針がないのが現状のため結局、合理的と言い難い補修や補強が行われているケースがあります。よって、土木学会鋼構造委員会活動成果として刊行されている鋼構造シリーズの関連書籍,既往学術論文等と本委員会活動を通してまとめる成果にて実践的な診断ガイドラインを提示し、非破壊や応力計測・解析等による適切な診断により現状のままの措置などの判定が安全性の十分な担保のもと可能なようにしたいと考えております。
一方、必要な補修は速やかに実施し、その補修効果のための計測、解析を効果的かつ合理的に実施できるように事例を示し、安全安心な鋼橋メンテナンス社会を構築したいと思います。なお、診断ガイドラインは、疲労は首都高・阪高の事例、腐食は沖縄や国道・県・市町村の支点部、桁端部および高力ボルト継手部の事例をベースに、現在の知見と解析および必要に応じて実験を駆使してまとめたいと存じます。
■活動成果の展開
診断ガイドラインとしてまとめ、その後、そのガイドラインの講習会を北海道、東北、関東、中部、関西、福岡、沖縄などで行い、その際に診断の相談窓口を設立したい。