活動目的
供用後30年以上経過した鋼構造物の性能の低下が喫緊の重要課題となっており,それらの長寿命化対策が強く要求されている.しかしながら,損傷した構造物の性能回復に対する基本姿勢は十分には検討されていない.また,性能回復対策を施してもその効果の評価は,維持管理上極めて重要であるにもかかわらず難しい状況にある.このような状況に鑑み,本小委員会では,腐食した鋼構造物の性能回復技術に関する従来の補修・補強施工実績を調査し最近の成果をとりまとめるとともに,性能回復設計の基本概念および性能回復効果の評価法について議論し,老朽化した鋼構造物の長寿命化のための基礎資料を提供することを目的として活動する.
活動内容
具体的な委員会活動は,以下の通りである.
(1) 過去における補修・補強設計実績の調査とその効果の検討
従来施工された補修・補強実績に関し,補修設計概念,施工方法を調査し,その効果について議論・検討する.
(2) 性能回復設計の基本概念の提案
補修,補強のための設計の基本姿勢を,実務における維持管理のなかで使用できる形での提案といった観点から議論し,提案する.
(3) 性能回復効果の定量的把握の試み
従来においては,性能回復は確認できるものの,その効果を定量的に評価・把握することは困難であった.そのため,上記(2)の設計思想,(1)の実績における効果の確認が難しい要因となっている.この点の改善,確立に対する基礎的資料を提供する.
(4) 成果のまとめ,シンポジウム等の開催
活動予定期間
2010年7月~2013年5月の3年間を予定