土木学会学生小委員会は2022年6月に発足した、土木学会において初の学生主体の小委員会です。
学生の土木への関わり方は多岐にわたります。橋やダムや景観が好きな人もいるでしょう。自然環境についてじっくり考えてみたい人もいます。他大学の土木学生との交流の中で土木を学びたい人もいます。
しかし、学生が実際に活動や交流を始めることには大きなハードルがあります。なぜなら、学生は活動や交流を企画する経験が浅く、どのように活動をしていけばよいのかを知る機会がなく、また、知るきっかけとなるネットワークに接する機会もこれまであまり無かったからです。
土木学会は、全国の土木に関わる社会人や学生が所属し、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」(土木学会定款)ことを目指し、さまざまな活動を展開してきました。そこで本小委員会では、これまで先輩方が築きあげてきた知見やネットワークを活かして、学生自身で協働し、共に学びあう場を作ることを目指します。
小委員会発足にあたり準備会を設立し、当面の活動テーマを「教育」「交流」の二つに設定しました。
人々のあたりまえの生活を支える土木。道路や橋、水道といったインフラ、構造物を支える地盤、生活環境や景観をデザインする都市計画、etc…
こういった身近な土木という視点で、学校の授業を捉え直すと、生徒はいつもの授業をより自分事としてとらえることができるでしょう。
そこで我々土木を学ぶ学生が、小中高生に向けて、土木という視点を伝えていくことで、各科目を新たな切り口から学んでほしいと考えています。
とはいえ「土木ってなに?」、という先生方も少なくないでしょう。そんな先生方のために、我々はまず、学校の授業ですぐに土木を取り入れられるツールを制作したいと考えています。
土木という学問の広がりは、非常に多岐にわたります。一口に土木に関心のある学生といっても、多様なバックグラウンドを持つ学生がいて、学生の数だけさまざまな視点があります。 こうした学生が、自らの土木に対する考え方を強く持ちながら、共に活発に議論し、興味関心を広げ、学びあえる空間を作る。等身大の学生同士の交流を通して、土木の将来や自らのキャリアについて考え、行動するきっかけを作る。このような空間を作るべく、具体的な活動を通じて、模索していきます。