(全国建設研修センターにおける座談会2009.6.16,「国づくりと研修」125号掲載記事抜粋)
出席者
梅原治子 鹿島建設(株)技術研究所研究管理グループ
高橋広行 東京都立総合工科高等学校建築・都市工学科教諭
永山貴一 (社)日本土木工業協会参事
宮田喜壽 防衛大学校システム工学群建設環境工学科准教授
〈進行〉
緒方英樹 (財)全国建設研修センター広報室長
〈コメント〉 道奥康治 神戸大学大学院市民工学専攻教授(土木学会「中・高生キャリア教育小委員会」委員長)
――たとえば小学校で、ものづくりとか科学に興味を持った子どもたちが、将来の夢を具体的な進路につなげる時期になって、はたして土木の仕事が選択肢に入るための支援基盤は、土木の側からきちんと整備されているのだろうかという懸念があります。
また、あってあたり前、ないとたちどころに困る土木と暮らしの密接な関係が、身近なこととしてイメージされていないのはなぜなのか。そんなに近くて遠いジレンマを解消するために、どう伝えていけばいいのか。そうした課題を念頭に、今日お集まりいただいた皆様に、暮らしと土木の関係をたどっていただきながら、糸口を探してみたいと思います。
最初に、梅原さんがお勤めの鹿島建設技術研究所では、研究施設の年間見学者が三〇〇〇人位で、その半数が技術者ではないとお聞きしています。専任技術ガイドのお立場から、特に一般見学者に対して、何か心がけていることとかございますか。
梅原 技術研究所の広報活動の一環ということで、見学の案内を担当しています。残念ながら広く一般に公開している施設ではないのですが、中学生、高校生の修学旅行や職場訪問のご相談があった場合はなるべくお受けしていますし、施主側のお客様でも、建設や土木以外の部署の方もいらっしゃるので、一般的な説明を求められる機会は多いです。 そこで、たとえば技術的な説明をするときは、わかりやすい言葉でということはもちろんですが、ふだん土木を空気のように感じている立場の方にとって、どういう点が驚くところなのかとか、常にそういう視点を忘れないことを心がけています。
「土木の日」の見学会では、近隣の小学生に呼びかけて、毎年三〇〇人位、学校ごとに見学会をやっているんです。そのときは、まず、身近なところの説明から始めます。たとえば「コンクリートっていう言葉は聞いたことあると思うけど、みんなの周りではどこに使われているかな?」というところから始めて、コンクリートってどういうものからできていて、いま最新のコンクリートはこんなものなんだよといった具合に、技術そのものの紹介をするところからではなく、まず自分の身近や興味に合わせたところからご紹介できるようにしています。
すると、「コンクリートって知ってるよ、幾らでもそばにある」と。「じゃ、それが何でできてるか知ってる?」、「セメントとコンクリートってどう違うか知ってる?」、「走っているコンクリートミキサー車の中はどうなってるか知ってる?」、そういうトリビア的なところをちょっとずつ出していくと、何となくツボに当たり、そこでぱっと目が輝くことがあるんです。そういう場面に出会うと、説明しているほうも楽しくなってきますね。
最近、中学校、高校のカリキュラムで職場訪問を取り入れるところが増えていて、ここ五年位、そうした依頼もずいぶん増えてきていますね。
――次に、東京都立総合工科高校の建築・都市工学科で土木を教えておられる高橋先生から、高校の都市工学科で学ぶ土木の範囲や、卒業後の進路などを含めてお話しいただけますか。
高橋 私の学校は四年前に出来た新設校でして、今年三月に一期生を出したばかりなんです。
いま東京都の工業高校では、ものづくりを進める高校、職人を育てるような高校、そして本校のような進学重視の学校に大きく分かれています。ですから、工業高校の土木という規定の範囲内はやっているのですが、ほかの工業高校に比べて専門科目が少ないといった特徴があるかと思います。
土木で教えている範囲では、基本的に実習があります。一年生は測量実習の中で、レベル、トランシット、セオドライトを使いながら、高さとスタッフの読み方を学びます。二年生になると、それをさらに進めて、レベルの水準環、往復の測定、トラバースを組んだり、基礎的なものを行っています。さらに、建築類型、都市工学類型(土木)という専門に分かれて、初めて土木製図を描きます。いま描いているのが、プレートガーダー橋ですね。三年生になると、材料が入ってくるわけです。コンクリートの材料実験とか、より施工的なもので実務に向くような丁張りをやったりしますが、製図の時間がなくなって、代わりに選択の普通教科が増えてきます。このように、少ない専門教科時間を精選して土木の教
科を教えているという形です。
卒業後、六類型全体の進学率は五九%で、地域の普通高校より高いですね。就職は、今年、学校全体で二五.二六名。ちょっと少ないんですけれども、希望者は、企業に一〇〇%入れています。
――土木分野の進学はどんな感じですか。
高橋 なかなか少ないですね。いま、大学もそうなのかもわかりませんけれども、土木の内容をよく知らないで、建築だと思って高校に入ってきて、そうしたら、「何だ」と。公共構造物をつくる、インフラをつくるというのを授業で初めて知ったという生徒も多いので、興味を持たせて、その方向に進めさせるのは非常に大変です。ですから、土木と建築の違いなんかについて、建築は家とかビルとか人が住むものをつくる。土木というのは、みんなが使う道路とか鉄道とか橋、生活に必要なもの、それも自分の利益じゃなくて、みんなのためになるようなものをつくっている尊い仕事という話もしますね。
年に数件ですが、私たちは中学校への出前授業で測量をおこないます。たとえば、伊能忠敬が日本全国を歩測で回った話をしながら、セオドライトをやってみせます。まず距離を歩測ではかって、次に、中学生にレーザーを使ってはかってもらいます。そして、「誤差はどうでしたか?」と。そのような教え方をして、体感してもらうのです。そういうもの
が積み重なって地図ができるという話をします。するとやはり興味を持ってきますね。
――では次に、土木・建設業全体の広報を担当されている永山さんから、まずは「日本土木工業協会とは一体何ぞや?」といったところからお願いします。
永山 今年の四月、日本土木工業協会は、日本電力建設業協会、日本鉄道建設業協会、日本海洋開発建設協会の三団体と合併して、新生「日本土木工業協会」としてスタートしました。
日本土木工業協会は、日本の大手建設会社の団体です。現在の会員数は一四四社で、公共事業や建設業にかかわる諸問題等を解決するため、委員会や支部活動などを通じてさまざまな活動を展開しています。その中で、広報活動は協会活動の大きな柱の一つにもなっており、社会資本整備の必要性や建設業の理解促進を図ることを目的に積極的に活動してい
るところです。
今日は、そうした広報活動のなかで、学生を対象とした二つの取組みを紹介させていただきます。
一つは、全国の土木建設現場を見ていただく「一〇〇万人の市民現場見学会」です。これは、土木の仕事が一般の人によく理解されていないのではないかという反省から、ふだんは見ることのできない仮囲いの中の仕事や、地下工事などを、広く、小学生、中学生、高校生、大学生、一般の方、近所のお年寄りまで、あらゆる人に見ていただくために平成十四年十一月にスタートしました。平成十七年十一月には一〇〇万人を達成し、開始して六年六カ月になった今年五月末までに回数で四万一二九二回、人数で一七二万五一七六人に参加していただいています。
今年中の二〇〇万人突破を目標にさらに開催を活発化しているところです。
最近は、地方の中学校、高校あるいは高等専門学校から、東京に修学旅行なり研修旅行に行くので、地方で見られないような大規模な土木の現場見学を設定してほしいといったお話も多くありますね。
二つめは、土木系の学生向けのフリーペーパーとして『Pilastro』(ピラストロ)を発行しています。
これは、建設業の仕事内容、社会的役割、あるいは就職に関する情報、土木とはどのような仕事をするのか等の情報を提供して、学生の土木に対する理解を深めてもらおうという意図があります。全国の六一大学の土木系学科、二八の高等専門学校に配っています。このフリーペーパーを発刊するにあたっては、首都圏の大学を回って、先生方にご意見を伺ったところ、高校から土木の学科に入ってくる学生が少なくなっていることを深刻に受けとめておられて、中学校、高校にも同じようものをつくって配布してくれないかという話もよく聞きました。
――では、防衛大学校で教える土木とは何か、システム工学群建設環境工学科の宮田先生お願いします。
宮田 防衛大学校では、広い視野と科学的な思考力を有する幹部自衛官の育成を目的にしています。土木工学は国防を担う幹部自衛官に欠かせない学問分野の一つとして開校当初より教育がなされています。
学部四年、修士課程二年、博士課程三年という一般の大学とほとんど同じカリキュラム、研究内容となります。一般の大学と違うのは、卒業生が土木の知識を直接生かす建設会社などに就職しないということです。それでは、防大の土木教育は、単に個人の素養を向上させるためだけにあるのかというと、そうではありません。最近、災害派遣やPKOで自衛隊が活動されているのを皆さん見ていらっしゃると思うのですが、土木の専門知識を有する幹部はそのような場面で大きな役割を果たしています。
たとえばPKO活動では、まだ国が生まれたてで、社会も不安定な時期、自衛隊がその国が独立国としてうまく発展するよう、インフラ整備の支援を行っています。まさしく国づくりのスタートは社会インフラの整備ということで、うちの学科を卒業した多くの学生がそういう場面で一生懸命尽力しています。
建設環境工学科という名前になったのは最近です。旧来の土木工学に基本を置き。環境のようなソフト的なものを導入して教育を行っています。どっちかというとハードに重点を置いた学科ということになっています。
――さて、本日お集まりの方々は、土木学会の
「中・高生キャリア教育小委員会」の委員でもあるのですが、いまちょうど中・高生を対象にした土木工学紹介パンフレットの作成の準備を始めたところです。その作業の取っかかりとして、「朝起きて寝るまで」に関わる土木を追いかけていますが、実は私たちの暮らしは、眠った後も営々と続く「二四時間の土木」に支えられて日々の安寧があるわけですね。
日常生活の一日をたどっていくと、それらに関わる土木が見えてくるということで、順番にご紹介いただきたいと思います。まずは、宮田先生、一日の始まりからお願いできますでしょうか。
宮田 朝起きると、顔を洗ったり、電気をつけたりします。つまり私たちは、電気、ガス、水道などのライフラインを活用して身支度をしています。
そのライフラインですが、蛇口をひねると水が出る、スイッチを入れると電気がつく、コンロをひねると火がつくということで、非常に当たり前になっています。
それを支えているのが土木ということになるのですが、全体が冗長性の高いシステムになっているので、ライフラインに一カ所不都合が起きても、私たちはそれに気づかないまま日常を過ごしているのが実際です。非常に素晴らしいシステムなのですが、その分、土木の役割がわかりにくいものになっています。今回の委員会では、多くの中・高生の方に「二四時間の土木」を理解してもらい、土木という仕事に興味をもってもらいたいと思います。そのために土木が私たちの暮らしとどのように繋がっているかをわかりやすく伝えたいと思います。
――蛇口の向こう側への想像力が欠落しているとよく言われますが、こちら側から取っかかりとなる情報の提示も必要ですね。
では、家を出て学校へ向かうあたりを永山さんからお願いします。
永山 通学という手段を考えてみますと、歩く人も、バスに乗る人も、電車に乗って通学する人もいるでしょう。そうすると、道路を通ったり、歩道を歩いたり、あるいは歩道橋を渡ったりとか、信号を見たり。また、電車で通学するのでしたら鉄道を使います。そのときに、地下鉄も乗るだろうし、駅も使う、地下街も通るだろうし、駅前広場も通るだろう。その二つに共通する部分として、トンネルや橋も使っているだろう。こういうことで、空気のような感じの土木といっても、通学時は、構造物として目の前にある、何か身近に感じられる土木施設がある、それらの利便なしでの行動は成り立ちませんね。
その場合、もしそこに、道路がなかったら、鉄道がなかったら、あるいは橋やトンネルがなかったらどうなるかを想像することは容易な気がします。そこから、土木の重要性・必要性を認識してもらって、さらに歴史を振り返ってみると、土木の仕事がわれわれの生活、国づくりを担ってきたのだというところまで想像、変換、発展できる。そのような情報、導入があれば、わりとわかりやすく理解してもらえると思っています。そこから、土木技術への興味なんかもどんどん引き出していく。そういう形で教材をつくっていけば、いいものができていくのかなと思っているところです。
――そうした情報を携帯電話でも見られるくらいの簡易さで流すという宮田先生の提案がありますが、わりと小さなところから、だんだん深めていくようなやり方は有効でしょうね。
宮田 やはり複雑にいろいろなものが絡み合っていますから、その全体像を見て、水道から先のダムまでたどり着くのはなかなか大変ですね。まずは、いかにわかりやすく入り口で興味を持ってもらって、そして、それがどんなふうに役割を果たしているかについて調べたいとか、そういう好奇心を持ってもらう動機づけができればということを考えています。
――学校に行って勉強して、さあ、お昼ごはんです。梅原さん、お願いします。
梅原 お昼ごはんを食べる前に、お弁当や給食をつくるという過程がありますけれども、そこでは
当然、電気、ガス、水道というライフラインを使います。
さらにその前に、食材そのものがどうやって手元まで届いているのか。いま、産地表示が厳格になりましたから、パッケージなんかを見ると、お隣の中国、あるいは地球の反対側のチリとか、とにかく世界中から食材が来ていることを身近に感じられますね。
そして、食べ物なんて生ものだから、世界中からそれを冷凍して持ってくるのか、それともどういう形で持ってくるのか。それは船なのか飛行機なのか。どこを出て、どこを通るのか。そういうことを考えていけばいくほど、昔はこれはできなかったんだなということがいまはできるようになってきた。食材がどこから来ているのか、それはどういう土木の仕事があったから可能となったのか。日本の国内でも、一晩でいろいろなところから生もの、新鮮なものが届きますが、それは、流通経路、高速道路といった物流基盤が整備されるようになって実現できたものだというシステムがわかってもらえるとうれしいなと思います。食材というのは、土木の入り口としてはすごく遠いところの気がするんですけれども、実はとても身近な存在として感じてもらえる部分ではないでしょうか。
つくった後、食べた後には、生ごみがどう処理されているのかという問題も残ります。昔はただごみだったものが、いまはエネルギーとなったりすることも含めて、つくることは、片づけるということと密接につながっていることも伝えたいですね。
――目の前にある即物的なものとしてしか提示されていないので、そこに至る過程も示したいですね。
さて帰宅後、ニュースで流れる地震などの災害は、何がどこに起きても日常茶飯事です。それなのに喉元を過ぎると消えていってしまいがちです。高橋先生からお願いします。
高橋 ついこの間も宮城の地震がありましたけれども、私たちはふだんそうした災害から守られている、あるいは守る努力が続けられているという意識が希薄なのはなぜでしょうか。実際は、われわれの土木系のもので守っている世界がもういっぱいあるわけですね。もしそれがなくなったらどうなってしまうのかという情報や報道は少ない。ふだん何気なく歩いている河川の公園、堤防沿いのリバーサイドなんか、最近非常に整備されていますけれども、あれがもしなかったらどんな状況になるだろうか。隅田川にしても海抜ゼロメートル地帯ですし、そうした場所は日本各地にあって、長年の経験や技術によって安全な生活が保たれていることを理解した上で、これからどのような防災が必要かを技術者だけでなく、市民とともに議論すべきだと思っています。先人たちが自然災害とどう向き合ってきたのか、そうした基本的な成り立ちも中・高生に知ってほしいですね。
――では、夕食後の娯楽ということで、テレビ、インターネット、いろいろなものがあると思いますが、その辺、宮田先生からお願いします。
宮田 いまは、どこに行っても携帯でしゃべれるし、ホームページを見ることができます。多くの市民は、それはすべてIT技術によるものだという認識があると思います。でも、情報系の先生とかに聞くと、通信インフラが土木技術でしっかりと整備されてきた点が大きいそうです。
結局、水道の話と同じように、携帯電話のアンテナからどんどん先をたどっていくと、最終的には山奥に構築された通信施設や電波塔にたどりつきます。
情報関連の装置は振動や湿度に弱かったりするのですが、地震や豪雨のときでもトラブルなく動いています。そこに土木技術の役割が大きいということは、こうして順番に考えるとあたりまえでも、普段はほとんど気づくことがありません。土木の役割が市民になかなか伝わっていないと思います。恩を着せるような言い方ではなく、土木技術が私たちの娯楽の分野でも大きく貢献しているということを自然なかたちでうまく伝えられればと思います。
――肝心なこと、大切なことはなかなか目に見えにくい典型が土木の仕事だという気がします。
さて、私たちが電気を消した就寝後も、土木の仕事に終わりはないようです。市民が寝静まってから、どんな土木が、なぜ深夜に行われているのか。たとえば、鉄道が安全に走行できるように、終電車が終わった後に、砂利石を交換したり、線路を点検したり、空港で言うと、最終便が終わった後に滑走路が整備されたり、そういったことを、限られた時間の中で朝までにやらなければいけない。それも、昼間と違って照明の明かりを頼りにやらなければいけない。騒音にも気を配り、いろいろな制約の中で非常に集中して工事が行われている。
真夜中の土木とは、調べる、直す、事故を未然に防ぐためになくてはならない仕事です。災害を少しでも軽減するための砂防工事なども日夜続けられています。朝起きて、普通に動いている電車や飛行機、何気ない自然の風景など、私たちにとって当たり前の日常生活は、目に見えないところで、土木の仕事が支えてくれていること、それこそ普通の生活が機能するためになくてはならない公的な仕事だということをきちんと伝えるべきだと思います。
宮田 もう一つ、私たちが認識しないといけないのは、社会の変化です。社会資本が絶対的に足りていなくて、それをつくらないといけなかった時代から、少しずつ高度化してきて、それを維持していく時代に移っています。すなわち、社会における土木の役割が少しずつ移ってきています。市民はそのへんのところは敏感なので、土木の役割の変化をうまくとらえて情報発信しないといけないと感じています。
――本日は、ありがとうございました。(二〇〇九年六月十六日抄録)
[コメント]
経済学者の宇沢弘文先生によれば、基盤施設(インフラ)は、自然環境・制度資本(教育、医療、司法、行政…)と同様、社会的共通資本に位置づけられます。自然環境は地球上の生命を恒久的に維持し、医療や法律も二四時間×三六五日その機能を絶やすことはありません。全く同様に、土木技術が提供するインフラが二四時間稼働しなければならないことは社会的共通資本としての宿命です。また、社会的共通資本には、みんながその恩恵に浴しているために、その価値が見えにくいという残念な特徴があります。大気・水が生命を守り法律や医療が安全を確保してくれることが当前と考えるように、起きてから寝るまで終日にわたって生活基盤を担う土木技術に対し、携帯電話や薄型テレビのようなありがたさを感じることはめったにありません。大人の場合には、インフラは正常に機能するものだという既成概念が確立されているので土木技術に改めての感慨を持つことは少ないでしょう。しかし、人格形成期の小中高生は既成概念にとらわれず柔軟で客観的にインフラを観察する能力があります。当座談会で話題となった中高生対象のキャリア支援によって、土木技術が制度資本・自然環境保全と同等の責務を担うすばらしい技術であることを次世代に伝えることが、今こそ求められています。(道奥康治)
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