岩盤力学委員会 委員長 清水則一
(山口大学大学院 理工学研究科)
まず冒頭に,東日本大震災によって,甚大な被害を受けられた方々に心よりお見舞い申し上げます.この未曾有の大震災を目の当たりにして,国民は地震・津波等に対する防災・減災についてこれまで以上の取り組みを強く望んでいます.岩盤力学の分野におきましても,関連する問題の解明や課題の解決に貢献し,その期待に応える使命があることを痛感いたします.
さて,委員会活動を進めるにあたり,足元を確認する意味でもこれまでの活動を振り返ってみたいと思います.本委員会は平成10年に委員会活動の体制の改革があり,常設委員会としては,企画,運営(現在は企画運営に統合),論文の各小委員会とし,研究小委員会は常設を廃し,期限付きで公募するものとなりました.これまで多くの研究小委員会が活動してまいりました.
さらに,平成15年には,活性化のための特別委員会が設置され平成17年に答申が出されています.そして,その答申に基づいた小委員会として,これまで培ってきた岩盤力学の理論・技術によって異分野と連携・協力することを目指した「リニアコライダー土木技術研究小委員会(平成18,19年度)」,および,活発化する土木技術者の国際活動をいかに支援するかを検討する「岩盤工学による国際活動支援研究小委員会(平成19~22年度)」を実施いたしました.
一方,本委員会から提案した「わが国におけるCCS実現における課題の抽出・整理と岩盤工学の果たす役割に関する調査研究」が土木学会の重点研究課題として採択され,新しい分野へのチャレンジの布石も打っております.
このような過去10年余の活動は,岩盤の国内プロジェクトの減少もあってやや沈滞化が懸念されるこの分野,また,委員会活動をいかに活性化させるかに取り組んだものであったといえます.
以上のような活動の流れを踏まえまして,公募型研究小委員会の活動支援はもちろんのこと,それに加えて,(1)活性化活動の継続:国際リニアコライダーなど異分野との連携・協力活動,国際技術者支援研究の継続など,(2)新しい方向の探索:岩盤力学が関わる環境問題,安全・防災,維持管理に関わる技術の動向把握と研究の方向性の検討など,また,(3)岩盤技術の集約・伝承および発信にかかわる活動:発行書籍の再編,委員会ホームページの充実,岩盤力学シンポジウムの新展開など,について,少しでも前進できるように努めたいと考えています.関係者の皆様には,なにとぞよろしくご協力のほどお願い申し上げます.