土木学会は、2016~2018年度に引き続き、「2019インフラ健康診断書(試行版」を公表いたします。
本書は、土木学会が、第三者機関として社会インフラの健康診断を行い、その結果を公表し解説することにより、社会インフラの現状を広く国民に理解してもらい、社会インフラの維持管理・更新の重要性や課題を認識してもらうことを目的としています。 2016年度に「道路部門」、2017年度には、「道路部門」、「河川部門」、「下水道部門」、2018年度は「道路部門」、「港湾部門」を公表いたしました。
今年度は、2016年~2018年度に引き続き「道路部門」と新たな部門の「水道部門」を公表いたします。
各部門の健康診断結果概要
健康診断は、施設の点検結果や維持管理体制の情報を公表データや調査により収集し、土木学会独自に指標化することで、施設の健康度や維持管理体制に対して行っています。各部門の具体的な健康診断結果は、部門別の健康診断書でご覧ください。なお、各部門や各部門内の施設に求められる機能や評価項目・基準などが異なりますので、総合的な健康状態を直接比較できないことにご注意下さい。また、インフラは災害への対処とともに、日々の生活や経済活動を支えています。健康で豊かな生活や経済発展を進めるためには、量や質のさらなる充実が求められますが、本健康診断書では、整備水準は対象とせず、機能を発揮できるための健康状況のみを対象としています。
水道部門(管路)
わが国の水道管路は全国的に布設から年数が経過し、特に大規模事業体では法定耐用年数(40 年)を超過した管路の割合が増加している一方で、管路からの漏水等によって無効となる水量の割合は小規模事業体の方が大きく、総じて管 路の健康状態が懸念される状況です。この状況に対してさまざまな対策が取られていますが、配水管路延長当たりの技術職員数(委託等含む)は全国的に減少傾向にあり、漏水修繕率も中小規模都市を中心に憂慮すべき状況にあります。
詳細は、http://committees.jsce.or.jp/reportcard/node/19
道路部門(橋梁、トンネル)
全国の橋梁の健康状態は、少なくない数の橋梁で劣化が進行し、早めの補修が必要な状況です。全国のトンネルの健康状態は、多くのトンネルで劣化が顕在化し、補修・補強などが必要な状況となっています。また、走行上の安全性に関する路面(舗装)は、良好な路面もありますが、損傷した舗装の適切な措置が行われていない状況も見られます。橋梁・トンネルは、今後も経年劣化による老朽化が進行することが予想されます。2017 年3 月までの定期点検で早期に措置を講ずべきと判断された施設のうち、都道府県・政令市・市区町村管理の施設(橋梁は全体の90%、トンネルは全体の70% を占める)では、修繕に着手された橋梁やトンネルは10 〜20%程度でした。適切に修繕を行い、施設を健康に保ち安全に長く使用できるようにする必要があります。
添付 | サイズ |
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「2019インフラ健康診断書(試行版)」 全体概要版 | 1.25 MB |