平成23年2月28日
昨年9月にも大きな地震に見舞われたニュージーランド南島のクライストチャーチで、2月22日午後0時51分(日本時間同午前8時51分)に、クライストチャーチ郊外5キロの深さ4キロ付近を震源とするマグニチュード6.3の地震が発生しました。この地震で死者・行方不明者は約200名(27日現在)に及び、歴史的な建物の崩壊など大きな被害をもたらしています。
公表されている範囲では、周期0.1秒付近で2gに達する地震加速度記録があるなど強烈な地震動であり、東京での直下型地震の発生が懸念されるなか、沖積層での地震であり、日本にも重要と考えられます。このため、(社)土木学会(会長:阪田憲次)は、2月23日災害対策本部(本部長:古木専務理事)を設置し、関係機関との調整の上、地震工学委員会地震被害調査小委員会の川島一彦委員長(東京工業大学教授)を団長とする緊急被害調査団(第一次)を3月1日現地に派遣することとしました。
今回の調査では、強震記録観測点も調査し、地震動特性を明らかにするほか、広範囲な液状化被害の実態、近代的な免震設計の発祥の地であるニュージーランドにおける免震構造の有効性、道路、鉄道、ライフライン施設、れんが造・木造建物などの被害実態について調査することとしています。また、現地における復旧、復興に貢献することが重要であることから、互恵の原則に基づく今後の協力方策を協議することとしています。
今後の調査に関する情報は、学会ホ-ムページなどで随時お知らせすることと致します。なお、速報会は3月11日を予定しています(時間、会場など詳細はおって公表)。
【調査団構成(第一次)】
団長 川島一彦(東京工業大学 教授/専門:耐震工学)
団員 アイダン・オメール(東海大学 教授/専門:岩盤力学、構造力学)
団員 清田隆(東京大学 准教授/専門:地盤工学)
団員 後藤浩之(京都大学 助教/専門:地震動)
団員 小長井一男(東京大学 教授/専門:耐震構造工学)
団員 高橋良和(京都大学 准教授/専門:耐震構造、免震・制震構造)
団員 西田秀明(独立行政法人土木研究所 主任研究員/専門:橋梁構造)
団員 モハメッド・エルガワディ(東京工業大学 客員准教授/専門:組石造の耐震性)
※3月中旬に第二次調査団派遣を予定
【調査行程】
平成23年3月1日(火)~3月7日(月)
※:清田准教授は4日現地合流。小長井教授は5日出国、10日帰国。
【問合せ窓口】
(社)土木学会 事務局長 佐藤恒夫