2009年8月7日に台湾東部に上陸した台風8号(Morakot)は、8月6日から9日にかけて3日間降雨量では世界最大級の総降水量2,400~3,000mm の豪雨を台湾にもたらしました。この豪雨により、高雄縣小林村では土石流、地すべりなどが連続的に発生して村全体が壊滅する大惨事になり、台南県等では落橋、堤防の決壊や、広範囲にわたり洪水氾濫が発生するなど、台湾中・南部を中心に甚大な土砂災害や洪水災害となりました。
近年、地球温暖化が進む中、異常豪雨が日本でも発生しており、今回の台風Morakot災害のような甚大な水・土砂災害の発生がわが国でも懸念されています。そこで、降雨量特性や降雨分布特性などの気象特性調査、崩壊や地すべり、土石流、天然ダムによる土砂災害調査、橋梁の破壊、堤防の決壊などの河川構造物の被災調査、土砂流出や河床変動調査、洪水氾濫調査、災害発生時の警戒避難等に関する調査などを行い、発生の頻発化が予想されている異常豪雨に対する台湾における今後の防災対策や防災技術についての提言、同様の問題が危惧されるわが国の防災対策や防災技術の問題点の抽出などに資するため、中華防災学会、中国土木水利工程学会及び土木学会台湾分会との連携の下、気象水文学、砂防工学、河川工学、土砂水理学、災害社会工学などの専門家で構成される調査団を派遣することとしました。(社)土木学会では本日付で2009年台湾中・南部の台風災害緊急調査対策本部(本部長専務理事)を設置し対応に当たることとします。
調査団に関する今後の情報は、学会ホ-ムページなどで随時お知らせすることと致します。
【調査団構成】(団員は五十音順)
団長 | 藤田正治 | 京都大学防災研究所 教授 |
団員 | 石野和男 | 大成建設(株)土木技術研究所 |
〃 | 片田敏孝 | 群馬大学工学研究科 教授 |
〃 | 関根正人 | 早稲田大学理工学部 教授(水工学委員会幹事長) |
〃 | 張 浩 | 京都大学防災研究所 助教 |
〃 | 堤 大三 | 京都大学防災研究所 准教授 |
〃 | 中川 一 | 京都大学防災研究所 教授(オブザーバー、水工学委員会委員長) |
〃 | 中北英一 | 京都大学防災研究所 教授 |
〃 | 檜谷 治 | 鳥取大学工学研究科 教授 |
〃 | 堀田紀文 | 東京大学大学院農学生命科学研究科 助教 |
【連絡先】
藤田正治団長
所属:京都大学防災研究所流域災害研究センター 教授
電話:075‐611‐5263(研究室) 又は 075-611-5264(秘書)
E-mail: fujita@sabom.dpri.kyoto-u.ac.jp
【調査行程】
調査地域:台南県、高雄県、台東県の土砂災害、洪水災害被災地
調査時期:2009年12月後半に調査実施予定
【問合せ窓口】
(社)土木学会 事務局長 佐藤 恒夫 03-3355-3442 office@jsce.or.jp