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橋梁振動コロキウム(アーカイブ)

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橋梁振動コロキウムの経緯・趣旨

2026年9月30日

大島俊之・中島章典

橋梁振動コロキウムは,1987年から2011年まで7回開催されてきた.その開催に至った経緯と各回の概要を簡単に紹介させていただく.

梶川康男先生(金沢大学)と岡林隆敏先生(長崎大学)が橋梁振動分野で活動している研究者の集まる機会を作ろうということで,橋梁振動関係の研究発表をしていた先生方に声をかけて,1981年秋の広島での土木学会全国大会時に情報交換会が開かれ,橋梁振動研究会の活動が始まった.

その後,数年間は土木学会の委員会活動ではなく,土木学会全国大会時に情報交換会および橋梁振動に関する勉強会を続けた.そのような活動の中で,橋梁振動に関する計測技術・計器およびコンピューターを用いた解析技術の進歩の状況も踏まえて,研究発表と意見交換をする場を設けることが必要であるということで,コロキウムを開催することになった.その第1回が1987年に「橋梁振動に関するコロキウム」として金沢大学で開催され,その際に刊行されたのが「橋梁振動に関するコロキウム講演概要・資料集」である.続いて,第2回は1989年に同じく金沢大学で開催され,「第2回橋梁振動に関するコロキウム論文報告集」が刊行された.この2回のコロキウムは橋梁振動研究会が主催した.

1992年に,橋梁における交通振動研究の現状と将来展望を把握し,公表することを目的として,土木学会構造工学委員会に橋梁交通振動研究小委員会(委員長:梶川康男金沢大学教授)が設置された.その小委員会の報告書は1994年に「交通荷重による橋梁振動に関する研究の現状と課題」というタイトルで出版されているが,その成果を広く公表することも目的として,1995年に「橋梁交通振動に関するコロキウム」を同研究小委員会の主催で開催した.論文集はこの小委員会の中での調査研究活動の成果をもとに執筆を依頼した基調論文と一般公募された投稿論文から構成されている.

橋梁交通振動研究小委員会の後継の委員会として,1996年に橋梁振動モニタリング研究小委員会(委員長:大島俊之北見工業大学教授)が立ち上げられ,橋梁振動の的確な把握に加えて,橋梁の健全性・使用性確保,損傷同定などを短期的・長期的モニタリングによって評価するための活動を行った.委員会活動の1つとして橋梁振動コロキウム’97を開催した.その中では,同委員会活動において検討していた橋梁の健全度診断,減衰評価,疲労照査と軸応力比,構造システム同定などの主要テーマに関するチュートリアル論文と一般論文が発表された.その論文が橋梁振動コロキウム’97論文集に含まれている.また,1999年には,Intelligent Bridge/Structure and Smart Monitoringに関する公開講演会を開催し,バージニア工科大学のJohn J. Lesko教授の講演およびこの分野の先進研究事例の紹介をいただいた.

橋梁振動モニタリング研究小委員会に引き続き,2001年に橋梁振動モニタリングとその標準化研究小委員会(委員長:中島章典宇都宮大学教授)の活動が認められた.同委員会の活動の一環として橋梁振動分野の現状の確認や最新の技術に関する情報交換や討論を行うことを目的として橋梁振動コロキウム’01を開催した.同コロキウムでは,京都大学防災研究所の佐藤忠信教授より「非線形構造同定に関する最近の話題」と題した特別講演をいただき,また,最近のISO基準策定動向および遠隔モニタリングを応用した橋梁の維持管理技術に関する研究を発表いただいた.さらに,2003年には,構造健全度モニタリング,橋梁振動モニタリングおよび橋梁の維持管理に関する国内外の研究者の情報交換の機会を設けるため,橋梁の構造健全度モニタリングに関する国際ワークショップ/橋梁振動コロキウム’03(International Workshop on Structural Health Monitoring of Bridges/Coloquium on Bridge Vibration’03)を北見工業大学において開催した.この橋梁振動コロキウムは国際ワークショップと合同で開催され,ワークショップでは,8人の著名な国内外の研究者の基調講演をいただいている.

さらに,2008年に活動を開始した土木学会鋼構造委員会の振動・騒音に配慮した鋼橋の使用性能評価に関する検討小委員会(委員長:深田宰史金沢大学教授)の活動成果の報告会を兼ねて,橋梁振動コロキウム2011が開催された.このコロキウムでは,橋梁の新設時や維持管理段階における振動・騒音問題について広範な検討を行った委員会の成果を報告するとともに,橋梁振動や維持管理に関連した最新の情報交換の場を提供した.

以上経緯を説明したように,橋梁振動コロキウムは,橋梁振動研究会の有志の活動から始まって約30年の間に7回程度開催されてきた.橋梁振動関係の研究活動が土木学会の委員会活動として認められ,委員会活動の一環としてコロキウムが行われるようになり,コロキウムの名称も少しずつ変更されている.

橋梁振動モニタリングに限らず,構造健全度モニタリングに関する研究分野では,モニタリング技術や計測機器の著しい発展が進んでいる.しかし,これらの分野の過去の関連する研究成果を参照することは,今後のこの分野の発展のために大いに役に立つものと考える.

 

(c)Japan Society of Civil Engineers