土木学会は、2016年度、2017年度に引き続き、「2018インフラ健康診断書(試行版」を公表いたします。
本書は、土木学会が、第三者機関として社会インフラの健康診断を行い、その結果を公表し解説することにより、社会インフラの現状を広く国民に理解してもらい、社会インフラの維持管理・更新の重要性や課題を認識してもらうことを目的としています。2016年度に「道路部門」、2017年度には、「道路部門」に加え、新たに「河川部門」、「下水道部門」を公表いたしました。
今年度は、2016年度、2017年度に引き続き「道路部門」と新たな部門の「港湾部門」を公表いたします。
各部門の健康診断結果概要
健康診断は、施設の点検結果や維持管理体制の情報を公表データや調査により収集し、土木学会独自に指標化することで、施設の健康度や維持管理体制に対して行っています。各部門の具体的な健康診断結果は、部門別の健康診断書でご覧ください。なお、各部門や各部門内の施設に求められる機能や評価項目・基準などが異なりますので、総合的な健康状態を直接比較できないことにご注意下さい。また、インフラは災害への対処とともに、日々の生活や経済活動を支えています。豊かな生活や経済発展を進めるためには、量や質のさらなる充実が求められますが、本健康診断書では、整備水準は対象とせず、機能を発揮できるための健康状況のみを対象としています。
港湾部門(係留施設)(橋梁、トンネル)
港湾の基幹的役割を果たす係留施設の健康状態は、少なくない数の施設で劣化が進行し、早めの補修が必要な状況です。建設後50年以上の係留施設の割合が、2014 年3 月の約10%から、2034 年3 月には約60%に急増する見込みです。このような施設の老朽化に対応するため、2013 年度に公布された改正港湾法では、特定の港湾施設に対して、定期的な点検診断が義務づけられました。現在、施設ごとの維持管理計画に基づいて定期的な点検診断が行われており、劣化や損傷が大きく進行する前に計画的に補修を行う予防保全型の維持管理が進められています。一方で、予算や人員等の制約から、十分な維持管理が実施できていない施設もあることから、点検診断の効率化を図っていく必要があります。
詳細は、http://committees.jsce.or.jp/reportcard/node/15
道路部門(橋梁、トンネル)
全国の橋梁の健康状態は、少なくない数の橋梁で劣化が進行し、早めの補修が必要な状況です。ただし、市区町村管理の橋梁では多くの施 設で劣化が顕在化している状況となっています。全国のトンネルの健康状態は、多くのトンネルで劣化が顕在化し、補修・ 補強などが必要な状況となっています。橋梁・トンネルとも、今後も経年劣化による老朽化が進行することが予想されます。2014年度と2015 年度の定期点検で早期に措置を講ずべきと判断された施設のうち、都道府県・政令市・市区町村管理の施設(橋梁は全体の90%、トンネルは全体の70% を占める)では、修繕に着手された橋梁やトンネルは10%程度でした。適切に修繕を行い、施設 を健康に保ち安全に長く使用できるようにする必要があります。
詳細は、http://committees.jsce.or.jp/reportcard/node/16
添付 | サイズ |
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「2018インフラ健康診断書(試行版)」 全体概要版 | 1.41 MB |