基礎地盤の変形評価に関する研究小委員会の概要
目的
本委員会では、断層変位評価技術について,解析モデルの設定,不確実さの考慮,地震動の影響の考慮,基礎地盤の変形評価のクライテリアの検討など実サイトへの適用に向けた課題を解決して,断層変位による基礎地盤の変形評価手法の構築を目的としています。また断層変位以外による地震時の基礎地盤の変形評価についても専門家による検討を行います。
経緯及び活動状況
2001年度から2004年度にかけて「基礎地盤および周辺斜面の安定性評価手法の体系化に関する研究」 を行い、2003年に動的上下動を考慮した地盤安定性評価についての委員会報告を刊行しました。また、研究の成果は原子力学会確率論的安全性評価実施基準(2007)に反映されました。
2005年度から2007年度には基礎地盤および周辺斜面の地震時安定性評価手法(変形照査)に関する研究を行い、その結果は日本電気協会基準(JEAG4601)に反映されました。
2008年度には、それまでの成果を技術資料「原子力発電所の基礎地盤及び周辺斜面の安定性評価技術」として取りまとめ、シンポジウムを開催しました。
2010年度から2012年度にかけて「強震時の原子力発電所基礎地盤及び周辺斜面の地盤安定性評価手法の高度化に関する研究」を行いました。成果の一部は公開シンポジウム「地盤・斜面の変形量評価」にて公表しました。
2013年度から2014年度の2か年にわたり、議論をより活性化させるために、小委員会に5つのワーキンググループ(変形照査WG、すべり対策工WG、岩盤の力学特性WG、斜面崩落評価WG、確率論的リスク評価WG)を設置して、研究を行いました。それらの成果を、公開シンポジウムを行い、公表しました。
2015年度から2017年度にかけて、これまでの「地盤安定性評価小委員会」としての活動方針を踏まえて、時刻歴非線形解析手法、不連続体の解析手法および断層変位評価の解析手法のさらなる高度化を目的として、小委員会に3つのワーキンググループ(破壊進展を考慮した安定性評価WG、斜面崩落評価WG、断層変位評価WG)を設置して、研究を行いました。それらの成果を、公開シンポジウム「地盤・斜面の安定解析技術の高度化を目指して」にて公表しました。
2018年度から2020年度には、2009年以降に活動してきた部会・小委員会で審議・検討した結果の一部を体系化するため、これまでの成果を技術資料(原子力発電所の基礎地盤及び周辺斜面の安定性及びリスク評価技術(2020年度版))として取りまとめました。また、残された課題に対してワーキンググループ(斜面崩落に関するWG、リスク評価WG)活動を通じた技術開発に取り組みました。それらの成果を、”技術資料「原子力発電所の基礎地盤及び周辺斜面の安定性評価技術<技術資料>(2020年度版)」講習会~最近の地盤安定性評価技術の適用例を中心として~”にて公表しました。
2021年度から2023年度にかけて、2009年以降に活動してきた部会・小委員会の中で残った断層変位技術の実サイトへの適用に向けた課題,断層変位による基礎地盤の変形評価手法の構築に関する研究について議論・審議を行います。また,断層変位以外の地震時の基礎地盤の変形評価についても取り扱います。さらに、それらの課題に対して小委員会にワーキンググループ(「断層の数値解析」WG、「液状化の影響評価」WG)を設置して研究に取り組みます。
活動履歴
過去のホームページ