JABEE認定審査における審査員の資格要件と、審査員になるための流れについての解説です。
0.はじめに
1.審査員の資格要件
2.審査員になるための流れ
i JABEE審査業務の概要
ii 審査員となるための流れ
iii 実際の審査業務について
iv その他
0.はじめに
JABEE認定審査は、高等教育機関において技術者(研究開発を含む広い意味での技術の専門職に携わる者)を育成するための教育を行っているプログラムに対し、学界と産業界との連携により、統一的基準に基づいて専門教育プログラムの認定を行い、我が国の技術者教育の国際的な同等性を確保するとともに、我が国と海外の技術者教育の振興を図り、国際的に通用する技術者の育成を通じて社会と産業の発展に寄与するため、行われています。
認定審査は、適切な専門能力を有し、適切な訓練を受けた審査員により行われます。以下、このJABEE認定審査を行う審査員となるための要件および流れについて記載しています。
1.審査員の資格要件
- 教育機関(大学・高専等)の教員または技術者教育に関心のある方
- 原則として、土木学会会員の方
- 土木分野もしくは環境分野に対して適切な専門能力を有すること
- 技術者教育の継続的改善に対する熱意と、審査員になるための十分な意欲を持っていること
- 必要な分析能力とコミュニケーション能力を有すること
2.審査員になるための流れ
ⅰ.JABEE審査業務の概要
- 審査はJABEEから会員学協会に委託され、実施されます。
土木学会(担当委員会:技術者教育プログラム審査委員会)では土木分野および環境分野の審査を実施しております。
- 一つの教育プログラムに対し、原則主審査員1名および副審査員2~4名から構成される審査チームが、認定基準に基づき審査を行います。
ⅱ.審査員となるための流れについて
審査員となるためには、以下の段階を踏むことが必要です。
ステップ2:審査研修員(審査員になるための研修者)として、実際の審査業務に参加する
審査研修員として実際の審査業務の経験を経た後、審査員として登録され、翌年度以降審査員として審査業務に参加することが可能となります。
なお、審査研修員として審査に参加する場合でも、基本的に審査員と同じ業務を実施していただきます。
iii.実際の審査業務について
審査業務は7月から12月(9月~10月)の期間で行われます。年間に担当するのは1校です。審査員が複数校を担当することはありません。
審査業務に伴う審査員の実際の作業は以下の通りです。
・受審校の自己点検書(※)の照査
・審査チーム事前打合せ(1日)
・プログラム点検書の作成
・受審校における実地審査(計3日)
・審査報告書の作成
※自己点検書:受審校の教育プログラムに関する説明資料で、資料編を含め約300~500頁程度。専用ホームページから電子データで配付されます。
iv.その他
- 審査員として登録されますと、登録後5年間で3~5回程度は審査員を務めていただく予定です。
- 審査講習会にかかる交通費ならびに実際の審査業務に参加する場合の交通費、宿泊費は土木学会で負担いたします。
- 実地審査に限り日当をお支払いいたしますが、それ以外の審査業務全般に対する報酬(謝金)はございません。
技術者教育の継続的改善のため、ボランティアでお願いいたしております。ご理解の上、ご参加下さい。
- JABEE審査員としての審査業務は、土木学会CPD単位の対象となっております。