高度経済成長期に集中的に整備されてきた我が国の社会インフラは、高齢化が進展しており、これまでも各種の損傷が報告されているところですが、先般中央自動車道笹子トンネルにて、天井板が落下する重大な事故が発生しました。
社会インフラの役割が、我々の生活や社会・経済活動の基盤であることを鑑みると、その高齢化が今後も進展し、適切な維持管理がなされないならば、これは安全で豊かな国民生活を維持し、活力ある社会経済を持続的に発展させることが困難になることを意味します。
一方で、これらの社会インフラの維持管理や更新に関しては、必要な技術・ノウハウを持つ技術者の不足、建設を主体とした社会インフラ整備の場合とは異なった組織体制の構築・マネジメント能力の向上、厳しい財政状況の下での費用の確保などが課題となっています。
土木学会では、この現状を踏まえ、「社会インフラ維持管理・更新検討タスクフォース(委員長:橋本鋼太郎土木学会次期会長)」を設置し、社会インフラの維持管理に関して、各分野の専門家等会員の連携を生かして人材育成や技術開発、組織・マネジメント手法、予算を含めた制度面の改善について対処戦略を検討します。
また、タスクフォースの活動にあたっては、国土交通省「社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会技術部会 社会資本メンテナンス戦略小委員会」での調査審議や(社)日本建設業連合会「インフラ再生委員会」での議論などを参考にし、実務的な見地も含めて検討を進めます。