コンクリート委員会「365火害を受けた鉄筋コンクリート構造物の損傷と性能の評価に関する調査研究小委員会」では、本委員会の成果をコンクリート技術シリーズの報告書として発刊することとなりました。
成果の内容を紹介する報告会を、
2025年3月6日(木)13:00-16:00にオンライン(Zoom)で開催いたします。
・参加費無料(報告書含む)
・委員会成果報告書:pdf版のみ
皆様のご参加をお待ちしております。
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鉄筋コンクリート(RC)構造物が火災などの高温に曝される場合,コンクリート表面付近からセメント水和生成物の熱分解および微細ひび割れが生じる.その結果,コンクリートのバリア機能が低下することで物質侵入抵抗性が低下し,表面から中性化の原因となる酸素や二酸化炭素が侵入しやすくなる.加えて,塩害の原因となる塩化物イオンなどの劣化因子が侵入し内部鉄筋の腐食が発生することで,鉄筋コンクリート部材の耐力低下に繋がる危険性がある.既往の研究では,高温作用および塩水作用,それぞれの作用を受けたコンクリートの耐力および耐久性を検討したものが多く報告されている.
一方で,火害を受けたRC構造物の性能評価については,建築学会より構造材料の耐火性ガイドブックと火害診断のガイドラインが出されているが,土木構造物に対するものは少ない.また、火害を受けたRC構造物の耐久性評価に関する指標は皆無に等しい.加えて、火害を受けかぶりのバリア機能が低下し,鉄筋とコンクリートの付着性能が低下したRC構造物が供用時に受ける作用で劣化が生じた場合にどの程度,耐久性が低下するのか,評価指標も無いのが現状である.加えて,近い将来に発生が予想される大規模な震災時には火災が生じることは自明であり,それに対する土木構造物の性能評価も重要である.
土木学会では,コンクリート構造物の耐火技術研究小委員会(2004年)とコンクリートトンネル構造物の耐火技術研究小委員会(2014年)が設置され,主にトンネル構造物の耐火性について検討がなされている.最近の土木構造物の火災事故では2008年に発生した首都高速5号池袋線の車両横転事故などがある.また,今後大規模地下空間の利用に伴い,土木構造物の耐火性と火災後の損傷評価は重要な課題である.
そこで,本研究委員会では,以下の3WGを構成し,これまでの情報を整理し,土木構造物が火害を受けた場合の性能低下の現状と補修方法を提案する基礎資料を得ることを目的として活動を行った.
1)材料WG 高温履歴を受けたコンクリートと鉄筋の性能評価
火害を受けたコンクリートと鉄筋の機械的性能と耐久性について、既往の知見を整理し課題を抽出する.その上で、材料の強度特性と耐久性に関する評価について提案する.
2)損傷評価WG 高温履歴を受けたコンクリート部材の損傷評価と耐久性の評価
高温履歴を受けたコンクリート構造物の損傷評価について、これまでの知見を整理と課題を抽出し、損傷評価手法について提案する.
3)補修WG 高温履歴を受けたコンクリート部材の補修方法と補修後の耐久性評価
高温履歴を受けたコンクリート構造物の補修方法と耐久性について、既往の知見を整整理し、課題を抽出し、損傷程度に応じた補修方法について提案する.
※本報告会は、CPDプログラムではございません。