土木学会技術推進機構の目的達成のため、運営委員会や部会が継続的で広範な活動を行うには安定した運営資金が必要である。そのため、一般会計から資金(約500万円/年)を充当する。また、情報提供、評価などを受ける会員を募集し、その会費を充てる。
学会がすでに持っている基金的なものを活用したり、また、学会事業を再検討することにより、会費の一部を充当するなどの拡充策を検討する。
正会員や特別会員からのボランタリー寄付(ASCEのCERF方式)を受ける。基金も、今後検討することが必要である。場合によっては、アジア土木技術国際会議のための募金に上積みすることも検討する。ただし、昨今の経済情勢から、安易な寄付依頼とならないよう、慎重な検討が必要である。
平成11年度から、正会員にはボランタリー寄付(1,000円×33,000人×2/3=2,200万円)、特別会員にも、会費の5%のボランタリー寄付(11,780万円×5%×2/3=393万円)を募る。よって、これらによる収入として、年間 2,593万円を見込む。
事業が軌道にのり、事業収入が本格的に入るまでは、一般会計からの繰り入れとボランタリー寄付が主たる収入となるが、ボランタリー寄付による収入は比較的安定な収入であるので、基本的に職員の人件費に充当する。
注)約12万人の会員がいるASCEは、CERF(Civil Engineering Research Foundation)の運営のために、会員から年間約1億円のボランタリー寄付を受け、これによって約30名強のCERF職員の人件費をまかなっている。CERFは、国際マーケットの開拓、技術開発、技術評価などを担当しており、ASCEの国際戦略の主要部を担っている。因みに、ASCE正会員の年会費は140ドル、CERFのためのボランタリー寄付は20ドルであり、その他にEqual Opportunity Programなどへの寄付を20ドル求めている。つまり、ASCEは、正会員に対して会費の約28%のボランタリー寄付を求めている。
ISO対応のための関係業種からの資金拠出、講習会の参加費、審査料等によって充当する。将来的には、各種事業収入が機構収入の中心となる。発足後、3年以内に事業収入による運営を可能とするよう努力する。
特別研究プロジェクトのために、外部資金を獲得してこの活動を行う。科研費等の外部資金の導入の一元化は、本機構設立の本来の目的の1つである。科学技術振興調整費や企業からの委託費などを中心とした、調査研究費の獲得をサポートするための情報収集も行うべきである。
注)化学、化学工学の分野では、横断的かつ戦略的な研究開発を行うために、化学工学会、高分子学会、日本化学会が中心となって「化学・化学技術戦略推進機構」を平成9年に設立させ、国や団体、企業からの資金導入を図っている。この機構には、学協会、産業界、国公立研究機関が参画し、国内外に対してインパクトのある技術的、経済的成果を獲得することを目指している。